ヨハネ4章5〜14節

「生ける水をあなたに」


 ある旅の途中、イエスはサマリヤをお通りになり、井戸の傍らで休憩された。そしてそこで出会った女性に声をかけ、井戸から水を飲ませて欲しいと頼まれた。イエスは会話を通して、彼女に「生ける水」であるイエスご自身を求めるように招かれた。

 生ける水は、魂を潤す水である。イエスこそ生ける水であり、人はイエスを知ることを通して、自分の魂が潤されるのを知る。この女性の魂は渇いていた。その渇きは、5回の結婚・離婚によっても、現在の男性によっても満たされなかった。彼女は、そういう自分の過去を隠していたが、イエスに「行って、あなたの夫をここに呼んで来なさい」と言われた時(16)、正直に「私には夫はありません」と告白した(17)。彼女はイエスに心を開いて、生ける水を求めた。その瞬間、イエスという生ける水が彼女の魂に流れ込んだ。彼女が礼拝についてイエスに尋ねたのは、そのためである(20)

 私たち人間は皆、魂が渇いている。それは、造り主である神から離れていることによるが、多くの人はその渇きを隠して生きているのではないか。それは、魂の渇きが自分の罪や恥と結びついているからである。

 しかしイエスは、この女性のすべてを知っておられた。同様に、私たちの恥もご存知でいらっしゃる。その上で、生ける水を求めるように、私たちを招いておられる。

 

「もしあなたが、神の賜物を知り、また、あなたに水を飲ませてくれと言う者がだれであるかを知っていたなら、あなたのほうでその人に求めたことでしょう。そしてその人は、あなたに生ける水を与えたことでしょう。」(10節)