ルカの福音書1章26〜38節
「名をイエスと付けよ」
マリヤは10代だった。婚約者ヨセフとの結婚に備え、両親と暮らしていた。婚約期間中は、法律上は夫婦でも、子どもを設けることは許されなかった。
そんなマリヤに天使ガブリエルが現れ、「あなたはみごもり、男の子を産む。名をイエスと付けよ」と命じた(31)。マリヤは「どうしてそのようなことになりえましょう」と婚約中の決まりを守っていることを主張する(34)。すると驚くべき言葉が伝えられた。「聖霊があなたの上に臨む。神に不可能はない」(35、37)。マリヤは「どうぞ、おことばどおりになりますように」とすべてを預けた(38)。
マリヤは、この出来事によって大きな渦に巻き込まれた。マリヤの妊娠を知った両親は当惑し、ヨセフは悩んだ末に婚約解消を決めた。しかし神のことばは真実だった。ヨセフにも天使が現れ、マリヤの胎の実を受け入れ結婚するように命じた。マリヤは万事守られて男の子を産み、その子に「イエス」と名付けた。「イエス」とは“神は救う”という意味の通り、「罪から救ってくださる方」の誕生である(マタイ1:21)。
天使はマリヤに「おめでとう、恵まれた方」と言った(28)。元々の言葉では「喜びなさい!恵みを与えられた人よ!」となる。この言葉は、今も私たちに与えられている。神様はみことばを通して、私たちに語りかけておられる。そして、神のことばは何か新しいことを創り出す。
「喜びなさい!」という招きの声は、私たちに向けられている。「おことばどおり」と応答する者でありたい。
「御使いは入ってくるとマリヤに言った。『おめでとう、恵まれた方。主があなたと共におられます。」(28節)