ヨハネの手紙第一 2章1〜11節
「神の命令を守るなら」
ヨハネは、この手紙を「喜びが全きものとなるため」(1:4)に書きました。これは、私たちが神を喜ぶこと・その喜びが自分の全生活、人生に広がるということでしょう。
その実現のために、ヨハネは「神の命令を守る」ように命じます(3)。この命令は、「兄弟を愛する」という言葉に要約されます(10)。
私たちは、真剣に愛そうとすればするほど、その難しさを実感するでしょう。しかしその前に、問われなければならないことがあります。それは、自分は聖書が語る意味で「愛する」ことを知っているか、ということです。神は、御子イエスによって、ご自身の愛を示されました。私たちは、イエスの姿を通して、真実に「愛する」ことを学ぶのです。
イエスは、神の姿を捨てて世に来られました。そして、私たちを「御父の前で弁護」して、永遠の天の御国に迎えるために「なだめの供え物」として十字架で死なれました(2)。ここから「愛する」ことは、人間的な肩書や自分を誇るものを捨てることから始まると教えられます。
使徒パウロは、人に自慢できることがたくさんありました。しかし、「私には、私たちの主イエス・キリストの十字架以外に誇りとするものが決してあってはなりません」(ガラテヤ6:14)とあるように、すべてを捨てて・イエスだけを誇りとし、神を愛し・兄弟を愛しました。
これは、「光の中を歩む」道であり、罪から守られる道です(1:7)。私たちも、そのような歩みに招かれています。
【聖書】10節「兄弟を愛する者は、光の中にとどまり、つまずくことがありません。」