詩篇37篇1〜40篇

「地に住み、誠実を養え」

 

 世の中には「不正を行う者」がいる(1)。良心につけこんでだまし取る。並んでいるのに横入りする。人の物を自分の物にする。お金をごまかす、など様々な詐欺がある。そういうことをしながら、大きな顔で生きている人がいる。人々から認められ、尊敬されている人がいる。作者は、そういう人に対して「腹を立てるな」「ねたみを起こすな」と語る(1)

 これは、不正を見逃せということではない。人は不正で得をする者に腹を立てつつ、その人をねたむことがある。ねたみは神様への信頼が揺らいでいるサインであり、「悪への道」である(8)。しかし「不正を行う者に対してねたみを起こすな」と命じられる(1)。神様は不正を裁かれるからである。

 「主に信頼して善を行え。」悪に手を染めてこの世の富を受ける方に心惹かれる者を、元のあるべき位置に立ち戻らせる一言である。神様は裏切ることのないお方であり、その言葉は真実である。神様を信頼して従う歩みは、人の目には貧しく見えても、神様がその人の宝となってくださる。

 「地に住み」の「地」とは、神様が置いてくださっているすべての状況である。与えられている物や健康状態のすべてを含む。その環境でなければ気づくことのできない恵みがある。その時でなければ聴くことのできないみことばの語りかけがある。神様の御心を信じて、そこで「誠実を養う」。

 「誠実を養う」とは、神様の御前にコツコツと小さな誠実を積み重ねて生きることである。人は、神様の御前に完璧に生きることはできない。悔い改めとやり直しをくり返しながら、恵みを数えて神様に従って生きる。その人の歩みは「主によって確かにされ」る。主はその人を喜ばれる(23)

 

「主に信頼して善を行え。地に住み、誠実を養え。」(3