第二サムエル記12章1〜31節
「あなたがその男です」
ダビデの人生に大きな傷をつけた罪、それは部下であるウリヤから彼の妻バテ・シェバを奪い取った罪であった。ダビデは、バテ・シェバのお腹の子が夫の子になるように偽装工作を謀るがうまくいかない。ダビデは、ウリヤを激戦で戦死するように仕向けた。ウリヤは死に、バテ・シェバは喪が明けてからダビデの妻に召し入れられた。すべてを辻褄が合うようにしたはずだったが、神様にはすべてが明らかだった。
神様は預言者ナタンを遣わし、無慈悲な男の話をした。ダビデは「そんな男は死刑だ」と怒りに燃えるが、ナタンは言った。「あなたがその男です。」
ダビデは、ナタンの話にはその罪に対して怒りを露わにした。しかし、それがまさか自分のことだとは思わなかった。このように他人の罪はよくわかるのに、自分の罪になると途端にわからなくなってしまう。私たちは、自分の罪の全貌をつかめていないと心しよう。私たちはどんなに罪の前に無力なのか。私たちは自分の罪の全貌も把握できないまま、主イエスの懐に飛び込んでいく以外、何もできない。
しかし神様は、あわれみ深いお方である。ダビデが罪を認めて悔い改めると、神様はダビデを赦された。私たちも自分の罪を告白し御前にへりくだる時、神様は赦してくださる。バテ・シェバは最初の子を失った後、神様から新しい命を授かる。それがソロモンである。神様は「エディデヤ」=主に愛される者という名を与え、ダビデとバテ・シェバが神様に愛されていることを伝えて下さった。神様は罪を告白した者を大きな愛で包んでくださる、あわれみ深いお方である。
「ダビデはナタンに言った。『私は主に対して罪を犯した。』ナタンはダビデに言った。『主もまた、あなたの罪を見過ごしてくださった。あなたは死なない。』」(13)