第2サムエル記5章1〜25節
「大いなる者となったダビデ」
羊飼いの少年ダビデが、ついにイスラエルの王になった。第二サムエル記5章には、ダビデが王様になってからしばらくの期間に起こった出来事をまとめている。エルサレムに都を作ったこと、多くの子孫が与えられたこと、ペリシテ人との戦いに勝利したこと…いずれも神様の豊かな祝福である。
祝福の中、ダビデが思い至った確信があった。それは、“神様が「ご自分の民イスラエルのために」自分を祝福し、自分の王位を確かなものにしてくださる”ということである。自分が受ける祝福は、自分のためではなく、イスラエル全体のためである。…ここには、神様がデザインされる“人間のあり方”が示されている。
聖書は繰り返し、“人は、自分のために生きるのではなく、他者のために生きるように、神様によってその場所に置かれている”と教える。自分が神様から祝福をいただくとすれば、それは神様が“私だけに”お与えになった祝福ではなく、私が喜ぶことを通して、“私のまわりにいる人たちに”神様の祝福が行き渡るようにするためである。/また、私が神様から試練や苦しみをいただくとすれば、それも神様が“私だけに”お与えになった試練・苦しみではない。私がそれを背負うことが、“私のまわりの人に”何かしらの意味があってのことである。
神様が私を置いてくださっている場所があり、私に与えてくださっている人間関係がある。私に与えられているところで、神様の助けを求めながら生きる時、私は“自分のために”生きるのではなく、“他者のために”自分の人生を生きる者とされる。
「ダビデは、主が彼をイスラエルの王として堅く立て、ご自分の民イスラエルのために、彼の王国を盛んにされたのを知った。」(13)