エペソ人への手紙6章10〜20節

「しっかりと立ちなさい」

　初代教会は様々な戦いを強いられていた。世の中からの圧力、迫害、誘惑があった。にせ教師、間違った福音、異端の教えが入り込んだ。このような中で、“いかにして主イエスを信じていくか”ということは、すべてのキリスト者・教会において共通の戦いであった。今日、私たちも同じ戦いをしている。「主にあって、その大能の力によって強められなさい。」(10) 私たちは主に強くしていただかなければ、信じ続けることはできないのである。

　神は、私たちを強めるために様々な恵みをくださっている。パウロはそれを「神の武具」として紹介する。まず「真理の帯」、「正義の胸当て」、「平和の福音の備え」である。“イエスはキリスト、救い主であるという真理”と、“神の法定で義すなわち無罪とされていること”を自分に結びつけ、“神は私を怒っているのでなく、私を愛して受け入れ、私の味方でいてくださる”という「平和の福音」を土台に据え、福音に立ち、福音の力で進んでいく。

　続いて「信仰の大盾」と「救いのかぶと」、そして「御霊の与える剣である神のことば」がある。神に助けを求めて、神にすがるなら、神は私の盾となり、私を守り、救ってくださる。そして「神のみことば」は神の約束であり、必ず実を結ぶ。みことばを掲げ、神の約束を信頼して進むことで、私たちは「しっかりと立」って、主を信じるために強められる。

　さらに、パウロは祈りを加える。すべての「祈りと願いを用いて、すべての「時」に、すべての「聖徒のために」、すべての「忍耐」を用いて「祈りなさい」と命じる(18)。どんな祈りでも、いつでも、誰のためにも、何度でも、とにかく祈りなさい、と命じられている。またパウロは、「語るべきことばが与えられ」るように、自分のためにも祈って欲しいと願う。私たちは祈りによって結ばれ、キリストの教会とされることで、強められている。

　私たち一人ひとりは弱く小さな者であるが、神は私たちにこのような豊かな恵みと確かな約束をくださっている。まるで神様が私たちにエールを送っているようである。神様の力によって強めていただきながら、信仰の道を進んでいきたい。