マタイの福音書16章13〜20節
「あなたは生ける神の御子キリスト」
主イエスがピリポ・カイザリヤ地方に行かれた時、主イエスは弟子たちに「あなたがたは、わたしをだれだと言いますか」と尋ねられた。すると、ペテロが弟子を代表して答えて言った。「あなたは、生ける神の御子キリストです。」
ペテロは“あなたこそキリストです”と告白した。キリストとは救い主という意味である。また「生ける神」とは、救いのために働く神のことである。ペテロはこの時、“イエスよ、あなたは私の救い主であって、救いのために働く神ご自身です”と告白したのであった。弟子たちは、主イエスを預言者という人間ではなく、私の神と信じて告白した。
主イエスは、この告白を聞いて「あなたは幸いだ」と言われた。なぜなら、神はその人が信仰告白に至るまで働き続けて来られ、神の働きなしに、人は主イエスを信じることはできないからである。信仰告白をする人は、すでに神の御手の中に入れられ、神と結ばれている。それ故、「あなたは幸い」なのである。
この信仰告白の上に、主イエスの教会が建てられる。イエスを主と告白することなしに、キリストの教会は存在しない。しかも、「ハデスの門」も教会には勝つことはないと言われる。「ハデスの門」とは自分を滅ぼす力であり、自分に敵対し・自分を訴え・自分に圧力をかけて自分を追い込む。しかしどのような滅ぼす力であっても、悪い策略であっても、主イエスの愛から私を引き離すことはできない(ローマ8:39)。主イエスは主であって、すべてにおける主権を持っておられる。このようなお方が、私の救い主となってくださったからである。
そして、教会には「天の御国のかぎ」が与えられている。これは「ハデスの門」から人を救う権威である。この権威は誤って使わないよう注意しなければならない。もし“教会の言うことを聞かないと救いを取り消す”というような誤った使い方をするなら、教会はカルトになってしまう。神は救いのために、この権威を教会に授けられた。「あなたは生ける神の御子キリスト」。地上でこの告白をする者は、天において永遠の救いにあずかることができる。