ヨエル書3章1〜21節

「主はシオンに住む」

 

 「ああ、その日よ。主の日は近い。全能者からの破壊のように、その日が来る。」(1:15) 預言者ヨエルは、「主の日」が来ることを預言した。主の日に、神様は隠れた不正を暴き、すべての無慈悲を裁く。同時に、主の日は虐げられた者たちの回復の時、主を待ち望む者たちの救いの時である。

 私たちは権力やお金の力で無理強いされることに対して、全く力が及ばないことがある。どんなに反発の声を挙げても、かき消されることがある。「彼らはわたしの民をくじ引きにし、子どもを遊女のために与え、酒のために少女を売って飲んだ。」(3) 欲望のために売られていく子どもたち。酒代の代わりに引き渡されていく少女たち。大人たちの貪欲が、弱者の叫びを飲み込んでしまう。しかし、主なる神様は言われる。「わたしはすべての国民を集め、…彼らをさばく」(2)。主が声にならない叫びを聞き、主の正義によって裁いてくださる。主の日に私たちのすべての涙は報われる。

 神様は、裁きの対象になる者たちを挑発するかのように言われる。「勇士たちを奮い立たせよ。すべての戦士たちを集めて上らせよ。」(9) ヨエルは、あたかも国々が自分をめがけて攻め上ってくる光景を目の当たりにして思わず叫んだ。「―主よ。あなたの勇士たちを下してください―」(11) 

 私たちが主の日を迎えるまでには、私たちも戦いに参与する。様々な誘惑、罪、痛みなど、私たちを主から引き離そうとするものが襲いかかる。その時、私たちも「あなたの勇士たちを下してください」と、主の助けを仰ぎ求めよう。

 主はやがて私たちの戦いの前線に来てくださり、不正を裁き、救いと回復を完成される。「主はシオンに住む。」(21)

 

「主よ、あなたの勇士たちを下してください。」(11)「主はシオンに住む。」(21)