使徒の働き16章11〜34節
「真夜中の賛美」
パウロとシラスは第二次伝道旅行を行い、マケドニア(現在のギリシア半島)に渡る。そしてピリピという中核都市で伝道を始めた。ルデアという紫布の女性商人が主イエスを信じ、教会の基礎が形成された。ところがパウロたちは、「占いの霊につかれた女奴隷』に妨害されてしまう。主イエスの御名で霊を追い出すと、女奴隷は正気に戻ったが占いをしなくなった。利益を得ていた主人たちは儲ける望みを失った腹いせに、パウロとシラスを訴えた。パウロたちはムチで打たれ、投獄されてしまう。
その夜、パウロとシラスは牢屋の中で祈りと賛美をささげた。理不尽な取り扱いをされたのだから、腹を立て・恨みを述べてもおかしくない。しかしパウロたちは、主イエスを喜ぶことを選んだ。人に見せるためにではなく、自分の信仰として祈り賛美した。
他の囚人たちはどんなに驚いただろう。パウロとシラスは鎖につながれ・牢に入れられても、人の悪意に対して腹を立てず復讐心から解放されていた。他の囚人たちが賛美に耳を傾けたのは、パウロたちが真の自由を持っているとわかったからである。その歌声にではなく、救われている姿に魅せられたのだ。
賛美の途中で、突然、大きな地震が起きた。獄舎の土台はゆらぎ、壊滅的な被害を受けた。獄舎の扉が開いてしまったのを見た看守は、囚人が脱走したと勘違いして自害しようとした。それと知ったパウロは、「ここにいるから、死んではいけない」といさめた。感動した看守は「救われるためにはどうすればいいか」とパウロに問いかけた。パウロは「主イエスを信じよ、そうすれば救われる。あなたも、あなたの家族も」と言った。
「家族も救われる」と聴いた看守は、直ちに家族を呼び寄せた。真夜中、しかも地震の直後である。看守は家族と共に、パウロからみことばを聴いた。そして家族そろって洗礼を受けた。
「あなたの家族も」というみことばを握って、家族の救いのために祈りたい。家族と共にみことばを聴く姿を思い浮かべながら。
「主イエスを信じなさい。そうすればあなたもあなたの家族も救われます。」(31)