創世記6:5〜8 「ノア① 悪が増大する世」
5節「主は、地上に人の悪が増大し、その心に計ることがみな、いつも悪いことだけに傾くのをご覧になった。」
「人の悪が増大した」世界とは、どれほど暗く、おぞましい世の中だったのでしょう。まず「神の子ら(=神様を信じる人々)」(1)が「人の娘たち(=神様を信じない人たち)」の美しさに惹かれて結婚します。原語によれば、次々と重ねて結婚したという事態でした。また当時は「ネフィリム」(恐らく腕力や暴力性で名を上げた人たち)がいました。「地は暴虐で満ちていた」(10)のです。
主なる神様はこの状況をご覧になり、大洪水によって全人類を滅ぼすことをお決めになります。罪を裁く神様の厳粛さを思わずにはおれません。
裁きを下すにあたり、神様は「悔やみ」(6)ました。悔やむとは「こんなことなら人間を造らなければよかった」という後悔ではなく、「残念に思う」(7)ことです。ここに悲しみを背負う神様の姿があります。神様は正義ではあるが冷徹で、裁きで人を殺すことなど何とも思わないような無慈悲なお方ではありません。神様は、罪を裁くことにおいて深く悲しまれるのです。イエス様もエルサレムの滅亡を思って涙を流しました(ルカ19:41-44)
イエス様は今も心を傷ませながら、私たちを救いへと招き導いておられます。