士師記5章1〜31節
「女預言者デボラの歌」
ハツォルの王ヤビンと将軍シセラは、20年にわたりイスラエル北部を支配した。「隊商は絶え、旅人はわき道を通った。農民は絶えた」とあるように(6,7)、物流は止められ、農業はできなくなり、食べ物がなくなった。反乱を起こそうにも、敗北は明らかだった。ヤビン軍は900両の鉄の戦車を備えていたのに対し、イスラエル軍は盾も槍もなかった(8)。
飢えと惨めさの中でイスラエルは祈った。神様は、女預言者デボラを立ち上がらせた。デボラは「主をほめたたえよ」(9)と、人々に呼びかけた。神様は、神様の救いの御業を数える信仰を「水を汲む者たち」に与えられた。デボラは八方塞がりの状況であっても神様をほめたたえ、神様の救いを思い起こそうと人々に呼びかける。実に、打つ手がないほど行き詰まっていたとしても、私たちは神様を知っている。私たちは救い主を知っている。これは何と力強いことか。
神様は、デボラに協力する者たちを与えられた。アビノアムの子バラクは、イスラエル軍を率いて戦った。多くの部族が参戦したが、戦いに加わらなかった部族もあった。デボラのように神様のために立ち上がる人を批判する傍観者でなく、信仰をもって支え共に戦う者でありたい。
実際の戦いでは、神様のあざやかな奇跡が重なった。星空は一転して大雨が降り、洪水が敵軍を襲い、自慢の戦車は役に立たなくなった。シセラは徒歩で逃げ延びたが、味方と信じた女性に裏切られ殺される。デボラは神様から勝利を約束されていたが、まさかこのような展開になるとは思わなかっただろう。「いつ」「どうやって」は神様の御手の中にある。神様の約束を信じて、信仰に目覚めよう。
「目ざめよ、目ざめよ。デボラ。目ざめよ、目ざめよ。歌声をあげよ。起きよ。バラク。」(12)