歴代誌第二 11章1〜17節
「主を尋ね求める」
ソロモン王の後を継いだのはレハブアムであった。ところが、レハブアムに失望した民は反乱を起こし、10部族が離反したのである。この10部族はヤロブアム(元ソロモン王の部下)を王に任命し、北イスラエル王国となった。残る2部族はレハブアムに従い、南ユダ王国として歩むことになる。こうして栄華を極めたソロモンの王国は、南北に分裂した。王国は内部崩壊したのである。
レハブアムは栄光の王国を取り戻すため、離反した10部族と戦おうとした。しかしその行軍の前に、神の人シェマヤが立ちはだかる。シェマヤは“戦ってはならない、これは神が仕向けられたことだ”とみことばを語った。するとレハブアムは、みことばを受け入れて行軍を中止したのである。この決断は立派だった。仕返ししたい気持ちを我慢して主に従うのは、容易なことではない。
レハブアムはユダ族とベニヤミン族と共に、小さくなった王国を立て直した。防備の町々を強化し、周辺国家からの攻撃に備えた。すると離反した10部族の中からレハブアム側につく者たちが現れた。各地にいた祭司とレビ人たちである。彼らはヤロブアムによってその役目を奪われたため、所有地や放牧地を捨てて亡命して来たのである。その他にも、「その心をささげて、主を尋ね求める者たち」がレハブアムの側についた(16)。彼らはレハブアムと共に、「ユダの王権を強固にし、レハブアムを励ました」(17)。
レハブアムは民を失い、国土を失い、軍事力を失った。しかし主はレハブアムを助けてくださった。神の人シェマヤによって、軌道修正することができた。亡命してきたレビ人や祭司たちに励まされ、国を立て直すことができた。レハブアムも主を求めた。主は、主を求める者に報いてくださる。
しかしレハブアムは、神様がくださった助けを正しく用いることができなかった。レハブアムが王になって3年後、国が強くなり安定すると、レハブアムは「主の律法を捨て去った」(12:1)。人はなぜ、不安な時には主を求めるのに、安定すると主に高ぶり、主に背いてしまうのか。私たちは主を求める者でありたい。何事においても、主の助けを求め、主を頼りにする者でありたい。