第二列王記7章1〜20節

「主の預言の成就」

 

 北イスラエル王国ヨラム王の治世、大きな飢饉があった。ちょうどその時アラム人の攻撃を受け、首都サマリヤは包囲されてしまう。飢饉で食糧不足の中、サマリヤの市場ではロバの頭や鳩の糞という食料にならない物が法外な値段で売られていた。町の惨状は、我が子を煮て食べる貧しい女性たちもいたほどだった。

 そんな最中、預言者エリシャに主の言葉があった。「明日の今ごろ、サマリヤの門で、上等の小麦粉1セアが1シェケルで、大麦2セアが1シェケルで売られるようになる。」(1)王の侍従は「主が天に窓を作られるにしても、そんなことがあるだろうか」と信じなかった。

 しかし神様の言葉は確かであった。神様はその日、アラム軍に大軍勢が攻めてくる物音を聞かせ、アラム軍に「イスラエルの王が、ヒッタイト人やエジプト人と共に攻めてくる」と勘違いさせた。慌てたアラム軍は、食料も財宝もそのままで逃げてしまった。こうして神様は、サマリヤの人々を救う“いのちの食卓”を整えて下さった。すべては神様の御業、神様の恵みであった。私たちが神様からいただいている救いの恵みや神様の愛、数々の祝福もこれと同様である。

 その日の夕方、ツァラアトになった4人の男が意を決してアラム軍に落ち延びた。すると、そこはもぬけの殻であった。4人の男は欲望のまま食べて飲んで物色した。しかし自分の過ちに気付き、この良き知らせを王に伝えた。

 私たちにとっても、神の国は“行ってただ食べるだけ”の恵みの世界である。神の国に入れていただいている私たちが、自分のことばかりを優先させて、恵みの暴飲暴食をしていると自分に嫌気が差して来る。よき知らせを独り占めしないで、周りの人に伝えよう。ここに救いがある、と。