イザヤ7章1〜17節

「インマヌエル、神の決意」

 

 南ユダ王国がアハズ王の時代、北方ではアッシリア帝国の嵐が猛威を奮っていたが、思いがけず北イスラエル王国とアラムが連合軍となって挑んできた。緊急事態である。アハズは動揺した。エルサレムの人々も同様であった。

 

 この時、神は早々に行動を開始しておられた。神は預言者イザヤを通して、堅固な救いを約束してくださった。まず、イザヤに子どもを連れてアハズ王に会いに行くように命じた。子どもの名前は「シェアル・ヤシュブ」、“残りの者は帰って来る”という意味である。つまり神は、“何があってもこの国には残る者がいる、この国には未来がある、だから安心して神を信じなさい”というメッセージを送られたのである。

 

 また神は、イザヤを通して3つのことを命じられた。①「気を付けていなさい」、状況をよく観察せよ、と。②「静かにしていなさい」、慌てないように、落ち着きを保つように、と。③「恐れてはなりません」、神が救いのために立ち上がり、神が戦い、神が守ってくださる、と。神は、“連合軍は「燃えさし」のように自滅するから放っておけ、アッシリアに気をつけろ”と警告された。

 

 しかしアハズは神の言葉を信じようとしなかった。連合軍を恐れたアハズは、アッシリアに貢物を送って連合軍を打つよう願う。アハズは神に頼ることをせず、アッシリアの力でこの状況を切り抜けようとした。事態はアハズの願った通りになったように見えた。しかしアラムと北イスラエルを滅ぼしたアッシリアは、北イスラエルを滅ぼすと態度を一変させ、南ユダに攻めて来た。果たして、神の言葉の通りになったのである。

 

 神はアハズ王が神を信じようとしないのをご覧になり、「主みずから」、インマヌエルという約束をくださった(14)。インマヌエルとは、神が共におられるという意味である。神は前もって、“どんなに悲惨な状況になったとしても、わたしは見捨てていない”と宣言された。そして神は、インマヌエルという約束を果たそうと、神ご自身の決意と熱意によって、救いのために働いてくださるのである。インマヌエルの約束を、心から信じる者でありたい。