マタイの福音書 9章35〜38節

「主イエスと共に担う働き」 

 

 マタイの福音書は、主イエスの働きをこのようにまとめている。「イエスは、すべての町や村を巡って、会堂で教え、御国の福音を宣べ伝え、あらゆる病気、あらゆるわずらいをいやされた。」(35) 

 

 主イエスは、目を高く上げて「すべての町や村」を見ておられた。それで一つの町で満足せず、あちらの町へ、こちらの村へとて行って福音を証しされた。主イエスは私たちにも「全世界に出て行き、すべての造られた者に、福音を宣べ伝えなさい」と命じておられる(マルコ16:15)。福音宣教の第一歩は、私たちの目を上げて全世界を見ること、そして自分から出て行くことである。

 

 主イエスの働きは、3つにまとめられている。①会堂で教える:主イエスは礼拝でみことばを語られた。主イエスは今も私たちに礼拝することを求めておられ、聖霊によってみことばを語ってくださる。②御国の福音を宣べ伝える:主イエスは野原や町中など、あらゆるところで御国の福音を伝えた。主イエスは教会に福音を伝える働きを託しておられ、教会は様々な方法で福音を証ししている。③あらゆる病気やわずらいを癒す:主イエスは苦しみを背負っている人に手を差し伸べた。しかも上から目線でなくその人と同じ目線で、その苦しみをご自分が引き取るようにしてその人を癒した。教会はこの心で、身近なところや世界の危機に対して手を差し伸べる働きをするように促されている。

 

 主イエスは人々を見て「羊飼いのいない羊のよう」だと思われ、“何かしなければならない”という心の揺さぶりを感じられた。それで「働き手を送ってくださるように祈りなさい」と命じられた。

 

 私たちも「働き手を送ってくださるように」と祈らなければならない。私たちのまわりに、みことばを必要としている人がいる。福音の救いを探している人がいる。隣人となる人を求めている人がいる。神はこの祈りを通して、私たちに為すべきことを示してくださり、宣教の働きの一端に私たちを加えてくださる。

 

 神は「収穫の主」であって、今も福音が届けられるために全世界で働き続けておられる。福音を宣べ伝える働きは、主イエスと共に担う働きである。このお方と共に宣教の働きを担って行こう。