創世記15章1〜21節

「さあ、天を見上げなさい」

 

 アブラムは塞ぎこんでいた。14章でアブラムは、ケドルラオメル王からロトとソドムの人々を奪い返した。ソドムの王との関係の悪化。歳を重ねる中で、跡継ぎが与えられないことへの焦りと不安。幾層もの暗雲がアブラムの心を覆っていた。そんなアブラムに、神様は近づき語りかける。「アブラムよ、恐れるな。」(1)気落ちする者の心を安心させる言葉である。アブラムは心を開き、神様に語りかける。「私には子がありません。」(2)神様はアブラムの問いかけを受けとめてくださり、アブラムを外に連れだされた。

 神様は言われた。「さあ、天を見上げなさい。」息を呑むばかりの満天の星空。「星を数えなさい。」数えられるはずがない。「あなたの子孫はこのようになる。」アブラムは信じた。

 私たちもアブラム同様、明日のこと・将来のことを心配し恐れる。しかし神様は、アブラムに“あなたの明日はわたしが準備している。わたしがあなたを守る。”と手を差し伸べられた。アブラムはその手をつかんで、神の守りを信じた。

 「主はそれを彼の義と認められた。」(6)「義と認める」とは、“あなたのしたことは正しい”と認めることであり、神様がこの上なく喜ばれたことを意味する。神様はアブラムの信仰を喜ばれ、また私たちの信仰も喜ばれるお方である。神様は私たちそれぞれの明日を守ってくださる。明日がどんな日か、私たちにはわからないが、神様が明日を守ってくださる。そう信じることを、神様はこの上なく喜んでくださる。

 

「そして、彼を外に連れ出して仰せられた。『さあ、天を見上げなさい。星を数えることができるなら、それを数えなさい。』さらに仰せられた。『あなたの子孫はこのようになる』」(5)