民数記29章1〜40節

「主が定めた通りに」

 

 民数記29章は、「いつ」「何を」いけにえとしてささげるかをまとめた規定である。荒野の旅は終盤を迎え、イスラエルの民は世代交代していた。約束の地に入る準備の一つとして、いけにえの規定がまとめられたのである。

 「何を」:雄牛・雄羊・子羊に油を混ぜた小麦粉とぶどう酒を添えてささげる。

 「いつ」:毎日・毎週・毎月に加え、過越の祭り(1/14)・七週の祭り・仮庵の祭り(7/15)、大贖罪日(7/10)である。

 いけにえをささげるのは、神様への感謝を忘れないためである。イスラエルの民は、神様によって奴隷から解放され、荒野の旅を生かされてきた。その恵みを思い出し、神様に感謝をささげるために、いけにえをささげる。今の時代、私たちは献金をささげることで、神様に生かされていることと救われていることの感謝を表している。

 しかし時に、喜んでささげられないことがあるのではないか。神様のおかげで今があることはわかってはいるが、“みんなはささげていないのに、なぜ自分だけ?”と他人と比較してしまう。“感謝の気持ちがあれば、金額は関係ないのではないか”と、出し惜しみする気持ちを正当化してしまう。私たちはささげることを惜しむ弱さをもっている。

 神様は「いつ」「何を」ささげるか、その時と内容と分量を決めておられた。これは、神様の知恵であろう。私たちは、ささげるという行動を通して、神様に感謝することを選び取っている。ささげることは、神様と自分の関係を見直すきっかけになるのである。 

 

「あなたがたは定められた時に、これらのものを主にささげなければならない。」(39)