ヨハネの手紙第一4章1〜6節

「真理の霊と偽りの霊」


 ヨハネは「愛する者たち」と愛情を込めて呼びかけ、「にせ預言者がたくさん世に出て来た」と警告します(1)。「にせ預言者」とは、「羊のなり」をしているが、その本性は「貪欲な狼」であると言われます(マタイ7:15)。それ故「霊だからといって、みな信じてはいけません」(1)と命じています。それは、牧師を名乗るからといって鵜呑みに信じるな、書名に「聖書の〜」「キリスト教の〜」とついているからといって闇雲に信じるな、ということです。

 私たちは、それが「神からのもの」かどうかを見分けなければなりません。その基準は、「人なって来たイエス・キリストを告白する」です(2)。すなわち、イエスが私たちの罪を背負って十字架につき、身代わりとして死んでくださったことを語っているか。聞き手・読み手を、十字架のイエスを信じるように招いているかです。

 私たちは、世の中の情報を見聞きして生活します。そこには、十字架のイエスを否定するもの、イエス以上に私の心を奪うもの、イエスを悲しませるものがあります。そういった「イエスを告白しない霊」(3)の影響を受けていないか、私たちは自分を点検しなければなりません。

 「あなたがたは神から出た者です。そして彼らに勝ったのです。」(4)私たちには、主イエスがついていてくださる。最後には、そのお方によってすべてが裁かれることになります。その時にも、イエスは私たちの味方でいてくださる。この恵みを見失うことなく、生きる力にできますように。

 

【聖書】4節「子どもたちよ。あなたがたは神から出た者です。そして彼らに勝ったのです。」