詩篇30篇1〜12節

「嘆きは踊りに変わる」

 

 回復を喜ぶ詩篇である。病や怪我からの回復、苦しみや困難からの回復、不信仰からの回復…様々な状況が当てはまる。詩の作者は死に直面する試みを経験した。病か怪我か、戦争で敵に囲まれたのか。作者は主に祈り求めた。すると主は、祈りを聞いてくださり回復を与えてくださった。

 作者は過去を振り返って語る。「私が栄えたときに、私はこう言った。『私は決してゆるがされない。』」(6) 成功して豊かになり、自信をもっていた。しかし試みに襲われると、輝かしい栄光はあっという間に崩れ去った。しかし、その経験を通して主の教えを学んだ。

 その一つは「いのちは恩寵のうちにある」ことである。「夕暮れには涙が宿っても、朝明けには喜びの叫びがある」(5)。夕暮れは夜を予感させる。試練の時、夜は長く厳しい。しかし夜は夜のままでは終わらない。夜は確実に朝になる。同様に、神様が試みの中から回復させてくださるのは確実なことだと唄うのである。神様は決して見放さず、倒れた者を引き上げてくださる。

 試練を通して学んだことがもう一つある。それは「神様を賛美するために回復される」ことである。今までは自分の力や成功を賛美していた。しかし今はそこから向きを変えて、いのちをくださる神様を賛美する。回復は神様を賛美するために与えられるのである。私が神様をさらに喜ぶことができるように、「私の助けとなってください」と祈ろう(10)

 

「あなたは私の荒布を解き、喜びを私に着せてくださいました。私のたましいがあなたをほめ歌い、黙っていることがないために。」(12