詩篇104篇31〜35節

「賛美するために生かされて」

 

 この詩篇は「わがたましいよ。主をほめたたえよ」という言葉で始まり、同じ言葉で終わる。「わがたましいよ」という呼びかけは、私の全身全霊に向けられている言葉ではないか。私の目よ、主の御業を見よ。私の耳よ、主の言葉を聞け。私の口よ、主を賛美せよ。そのすべてをまとめて、作者は自分自身に命じるように「わがたましいよ。主をほめたたえよ」と語る。

 

 作者は、自然界における神のみわざをほめたたえる。

 

 15節:神は光をまとい、天を広げ、水や雲を動かし、大地を据えられた。地球全体は神を礼拝する巨大な生命体のようである。

 69節:神は山を上げ、谷を沈め、水と地の境を定められた。大陸の移動や、山脈や海溝の成り立ちを思わせる言葉である。

 1012節:神は山の谷間に泉を湧き出させ、その水は小さな流れとなって野の獣や空の鳥を潤す。

 1318節:神は雨を降らせる。雨によって草木は成長し、家畜の食料となり、食物やぶどう酒となって人間の生活を支える。

 1923節:神は1年と1日という時を定められた。春夏秋冬の季節があり、朝と夜のサイクルがある。

 2430節:神は海の中にも無数の生物を造られた。神は食物連鎖の仕組みを定め、ある生物は食べて生き、ある生物は食べられて死ぬが、新たな生命が生まれるようにされた。

 

 人間も動物も鳥も魚も、すべてのいのちの営みは、神によって支えられている。自然の仕組み、食物連鎖の秩序、天体の動きによる1日と1年の法則、これらのすべては神の知恵による。神は私たちの日々を支え、私たちを生かしてくださっている。

 

 作者は、自分たちを生かしてくださる神の恵みを目の当たりにして、「主の栄光が、とこしえにありますように」と神を賛美する(31)。そして自分が今日、神に生かされていることを感じ、「私は生きている限り、主に歌い、いのちのあるかぎり、私の神にほめ歌を歌いましょう」と告白する(33)。私を生かしてくださる神の恵みを数えて感謝すると、今日はいい日になる。私たちも、自分に語りかけよう。「わがたましいよ。主をほめたたえよ」と。