歴代誌第二 18章1〜16節

「主の御心を求めて」

 

 ヨシャパテは35歳で王となり、25年間、南ユダ王国を治めた。流されやすく気が弱い一面もあったが、神様に信頼してよく祈る王であった。特筆すべきは、祭司・レビ人を国中に派遣し、民衆に律法を教えたことであろう。主を恐れる国を、主は守られる。ヨシャパテの時代、南ユダ王国は主に守られ、豊かになり栄えた。

 

 しかしヨシャパテは、北イスラエル王国のアハブ家と婚姻関係を結んだ。アハブの娘がヨシャパテの息子の妻になったのである。主に背きバアル礼拝を広めるアハブ家との関係は、ヨシャパテをつまずかせ、後の南ユダ王国に暗黒時代をもたらすことになる。

 

 アハブ家とのつながりで、ヨシャパテは戦いに加わることになった。ヨシャパテはいつものように、まず主のことばを伺うようアハブに求めた。アハブによって集められた400人の預言者は、声をそろえて都合の良いことばかりを語る。彼らは、アハブに有利なことしか語らない、名ばかりの預言者だったのである。

 

 不信感を募らせたヨシャパテは、真実な預言者を求めた。もし預言者が“戦いに行くな”と言えば、それに従う覚悟で、神様の御心を求めたのである。人間は自分の判断を絶対だと思う時、失敗する。ヨシャパテは、神のご意思(=御心)を自分の考えよりも優先し、神のことばに従おうとしていたのである。

 

 ミカヤという預言者が連れて来られた。ミカヤはこの戦いで、王は討たれ兵士たちは散り散りになると預言した。不安を感じたアハブは、王の身なりで出陣するのを避け、変装して戦いに臨む。変装は功を奏し、アハブは狙い撃ちされなかった。ところが敵の兵士が何気なく弓を放つと、その矢はアハブの鎧のわずかな隙間に命中し、アハブは命を落とすのである。

 

 どんなに人間の知恵や策略で抗っても、神の御心は実現する。雨が地を潤すように、神のことばは神の御心を実現させる(イザヤ55:10,11)。自分の力を過信せず、神の前にへりくだり、神の御心を求める者でありたい。みことばは、呪いの象徴である“いばら・おどろ”を祝福の象徴である“もみの木・ミルトス”に造り変える(イザヤ55:13)。神は私たちを祝福しようと招いておられる。